自分のために使うことにためらってしまうあなたへ ― 「後回しでいい」という思い込みの正体と、やさしくほどく方法
あなたは今、自分のためにお金や時間を使おうとして、手が止まってしまうことはありませんか?
気に入った服を見つけたのに、値札を見て棚に戻してしまう。
ずっと気になっていた習いごとがあるのに、「今じゃなくていいか」と先のばしにする。
ひとりでゆっくりお茶を飲みたいのに、「その時間があれば家のことができる」と考えてしまう。
家族や友だちのためなら、迷わず使えるのに。
自分のことになると、とたんに「これはぜいたくかな」「私にはまだ早いかな」とブレーキがかかる。
もし心当たりがあるなら、まず知っていただきたいことがあります。
それは、あなたがケチだからでも、自分勝手だからでもない、ということです。
「ぜいたく」と感じてしまうのはなぜ?
自分のために使うことに後ろめたさを感じるのは、とても自然な心の反応です。
多くの場合、そこには幼い頃に受け取った「自分は後回しでいい」という思い込みが関わっています。
たとえば、子どもの頃に、こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。
「わがまま言わないの」
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」
「まずは人のことを先に考えなさい」
言った大人に悪気はなく、むしろ思いやりのある子に育ってほしいという願いからだったのだと思います。
でも、素直な子どもの心は、その言葉をそのまま受け取ります。
「自分の『ほしい』を言うのは、いけないことなんだ」
「我慢できる子が、いい子なんだ」
そうやって、心の奥にそっとしまわれていくんですよ。
潜在意識は、くり返し受け取った考え方を「当たり前のルール」として覚えています。
そして大人になってからも、そのルールは静かに働き続けます。
自分でも気づかないうちに、「ほしい」と思った瞬間に「でも」という声が重なってくる。
頭では「少しくらい買ってもいいよね」と分かっているのに、気持ちが追いつかない。
それは、心が昔のルールを守ろうとしているからなんです。
つまり、ためらってしまうのは、あなたの心が長いあいだ、まじめに役目を果たしてきた証拠でもあります。
後回しが続くと、心はどうなる?
自分の「ほしい」「やりたい」を後回しにする毎日は、一見、穏やかに見えます。
周りの人からは「気がきく人」「しっかりした人」と思われているかもしれません。
けれど、心の中では、小さな「本当はこうしたかった」が少しずつたまっていきます。
ふとした瞬間に、「私は何のためにやっているんだろう」とむなしくなる。
なんとなく、毎日が楽しくない。
人がうれしそうに自分の好きなことをしている姿を見ると、胸がちくっとする。
そんな感覚が出てきたら、それは心が「もう少し、私のことも大切にして」と、静かに知らせてくれているのかもしれません。
また、自分のために使うことを許せない状態が続くと、「私にはその価値がない」という気持ちも育ちやすくなります。
でも、よく見てください。
価値がないから使えないのではありません。
「使ってはいけない」と、昔から思い込んでいるだけなんですよ。
ここは、とても大切なところです。
あなたの価値は、何かを我慢した量では決まりません。
言葉を唱えるだけでは、変わりにくい理由
こうした話を知ると、「それなら、『私は自分を大切にしていい』と毎日となえてみよう」と思う方もいらっしゃるでしょう。
その気持ちは、とても大切なものです。
ただ、頭で「いいよ」と言い聞かせても、心の奥の「ダメ」という声が大きいままだと、かえって違和感が強くなってしまうことがあります。
「そんなこと言っても、本当はそう思えない」
と、自分の声に自分で打ち消されてしまうんです。
それは、あなたの意志が弱いからではありません。
幼い頃に受け取った思い込みは、言葉の力よりも、そのときの感情と結びついて深いところに残っているからです。
インナーチャイルド、つまり子どもの頃の気持ちが傷ついたまま置き去りになっていると、「頑張って前向きに考えよう」としても、なかなか変わりません。
考え方を無理に変えようとするよりも、その奥にある気持ちにやさしく触れていくこと。
それが、本当の意味で楽になる近道なんです。
今日からできる、小さな練習
とはいえ、ひとりでできることが何もないわけではありません。
ここでは、無理なく始められる小さな練習を3つご紹介しますね。
1.小さな「ほしい」に気づく
一日の中で、「あ、これいいな」「ちょっと休みたいな」と感じた瞬間を、そのままメモしてみてください。
かなえなくてもかまいません。
まずは、自分の中にも「ほしい」があるんだと知ることが、第一歩です。
長く後回しにしてきた人ほど、「ほしい」の声が小さくなっています。
その声を、聞き取ってあげるだけで十分なんです。
2.百円の自分ごほうび
いつもより少しだけ好きな飲み物を選ぶ。
好きな色のペンを使う。
五分だけ、何もしない時間をつくる。
そのとき、心の中で「私が喜ぶことを選んだよ」と声をかけてあげてください。
大きなことでなくていいんです。
「自分のために選んでも、何も悪いことは起きなかった」という体験が、心にとって何よりの安心になります。
3.ためらいが出ても、責めない
今日もまた買えなかった、選べなかった。
そんな日があっても、大丈夫です。
「また選べなかった」と思ったら、「ここまで我慢してきたんだね」と、自分にやさしく声をかけてみてください。
ためらいは、あなたを守ろうとしてきた心の働きです。
追い出そうとせず、「そうだったんだね」と受け止めてあげるだけで、少しずつ力がゆるんでいきます。
気持ちが変わると、行動が変わる
私が一番大切にしているのは、「気持ちが変わると、行動が変わる」ということです。
セッションを受けてくださった方から、こんなお声をいただいています。
「やりたいことができるようになりました」
「自分の気持ちを大切にして、嫌なことを断れるようになりました」
「自分責めがなくなると、こんなに毎日が楽しいのですね」
どれも、無理に頑張った結果ではありません。
心の奥にある思い込みがゆるんだことで、自然と行動が変わっていったのだと感じています。
自分のために選べるようになると、毎日が少しずつ「楽しい」に変わっていきます。
「私なんて」と思う日より、「今日も楽しかったな」と一日を終えられる日が増えていく。
私は、あなたにもそんな毎日を過ごしてほしいと、心から願っています。
そして、あなたの中には、自分でも気づかずに眠らせている「やりたい」「ほしい」「言いたい」が、きっとあります。
それを掘り起こして、あなた自身の手でかなえていけるようになること。
それが、私の願いです。
一人で頑張り続けなくて大丈夫
ここまで読んで、「頭では分かるけれど、自分ひとりでは動けそうにない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
それも、とても自然なことです。
長いあいだ心に根づいてきた思い込みは、ひとりで向き合おうとすると、どうしても同じところをぐるぐる回ってしまいがちだからです。
ミラクルセッションは、私自身の経験と、その場でのひらめきを、ヒプノセラピー(催眠療法)と融合させた独自のセッションです。
潜在意識の深いところにある「後回しでいい」という思い込みや、置き去りになった子どもの頃の気持ちに、やさしく触れていきます。
まずはプチ体験セッションで、悩みの原因と今の状況を一緒に整理できます。
一人で頑張り続けなくて大丈夫です。
あなたが、あなたのために選べる日が来ますように。
今日の小さな「ほしい」を、そっと大事にしてあげてくださいね。