「選べない自分」に隠れている、幼いころの思い込み
あなたは今、何かを決めようとするたびに、心が重くなっていませんか。
ランチのメニューひとつでも、なかなか決められない。
大きな決断はもちろん、日々のちょっとした選択にまで、時間がかかってしまう。
そんな自分に、情けなさやもどかしさを感じたことはありませんか。
周りからは「優柔不断だね」と言われてしまうこともあるかもしれません。
けれど、それはあなたの性格が弱いからでも、意志が足りないからでもありません。
ここでは、選ぶことがなぜこんなに怖くなってしまうのか、その心の仕組みと、少しずつ抜け出すための視点をお伝えしていきます。
こんな場面に、心当たりはありませんか
友人とランチのお店を決めるとき、「なんでもいいよ」と言いながら、心の中ではずっと迷っている。
家族に「今日は何が食べたい?」と聞かれても、とっさに答えが出てこない。
職場で「意見のある人はいますか」と聞かれると、頭が真っ白になってしまう。
旅行の行き先を決めるとき、いつも誰かの提案に合わせてしまう。
仕事のメールの文面を、書いては消し、書いては消し、何度も迷ってしまう。
服を買うときも、店員さんに勧められるまま、なんとなく決めてしまう。
転職や引っ越しといった大きな選択の前になると、何日も、何週間も、答えが出せなくなる。
「決めたのに、あとになってやっぱり違う気がする」と、選んだあとまで気持ちが揺れてしまう。
誰かに「あなたはどうしたいの?」と聞かれると、なぜか、まず相手の顔色をうかがってしまう。
断りたい誘いにも、その場では「いいよ」と答えてしまい、あとになって後悔する。
大切な人との関係でも、自分の希望より、相手の希望を優先することが習慣になっている。
そうやって、小さな迷いが一日の中に積み重なっていく。
気づけば、自分が何を選びたいのか、自分でもよく分からなくなっていることさえあります。
そんな場面に、心当たりはありませんか。
それは、あなたが悪いのではありません
これは、あなたの性格が弱いからでも、優柔不断だからでもありません。
選ぶという行為の裏には、「間違えたらどうしよう」という不安が、静かに働いていることが多いんです。
「これを選んで、もし失敗したら、責められるかもしれない」
「自分の意見を言って、否定されるかもしれない」
そんな思いが、無意識のうちに、選ぶことにブレーキをかけてしまうのです。
だから、選ぶという行為そのものが、怖いものになってしまう。
これは、心があなたを守ろうとしているサインでもあるんですね。
実は私自身にも、人に合わせすぎて、自分の意見をうまく言えなかった時期がありました。
押しの強い人に強く言われると、とっさに何も言い返せなくなってしまう。
「それは違うんじゃないかな」と思っても、その一言が出てこない。
そうやって、自分の気持ちを押し込めて、我慢していたことが、私にもあります。
誰かに決めてもらうほうが楽だと感じるのは、それだけ長く、周りに気を配りながら生きてきた証でもあるのです。
だからこそ、選べずに立ち止まってしまう気持ちも、他人事とは思えません。
それだけ、あなたはこれまで、周りとの関係を大切にしながら生きてきたということなんです。
自分を責める必要は、まったくありません。
なぜ、選ぶことがこんなに怖くなるのか
この心のクセの多くは、子どものころの経験と関係していると言われています。
自分の意見を言ったときに、「そうじゃないでしょう」と否定された経験。
自分で選んだものを、「それは違うんじゃない」と直された経験。
自分で決めるより、誰かに決めてもらったほうが、うまくいった経験。
こうした出来事が積み重なると、潜在意識は「自分で決めるのは危険なことだ」と学習してしまいます。
一度そう学習してしまうと、大人になってからも、その思い込みは無意識のうちに働き続けます。
頭では「もう子どもじゃないし、大丈夫」とわかっていても、いざ選ぶ場面になると、心がすくんでしまう。
これは、インナーチャイルド、つまり幼いころのあなたの気持ちが、まだ「決めても大丈夫」だと安心できていないサインでもあります。
幼いあなたにとって、それは自分を守るための、精一杯の知恵だったのです。
「決めたことを否定されるくらいなら、最初から決めないほうがいい」と、心のどこかで感じてしまうこともあるかもしれません。
ただ、その知恵が、今のあなたにとっては、少し重すぎる荷物になっているだけなんですね。
選ぶことと、間違えることは、本来まったく別のものです。
けれど、幼い頃の記憶の中でその二つが結びついてしまうと、選ぶこと自体に、緊張や不安がついて回るようになってしまうんです。
「決めよう」と思うだけでは変わりにくい理由
「もっと自分に自信を持とう」
「思い切って決めてみよう」
そう自分に言い聞かせても、なかなかうまくいかないという方は多いのではないでしょうか。
それは、あなたの努力が足りないからではありません。
言葉を意識的に唱えるだけでは、幼いころに刻まれた思い込みまでは、なかなか書き換わらないからなんです。
思い込みは、頭で考える部分ではなく、もっと深いところ、潜在意識の領域に根を張っています。
そこにアプローチせずに、表面の言葉だけを変えようとしても、根っこの部分はそのまま残ってしまいます。
「本当はこうしたい」という気持ちにふたをしたまま、頭の中だけで結論を出そうとしても、心はなかなか納得してくれません。
だから、「決めよう」と何度思っても、また同じように迷ってしまうんですね。
インナーチャイルドが傷ついたまま、幼い頃の思い込みがそのまま残っていると、なかなか前向きな気持ちにはなれません。
自分を責めたり、卑下したりしていては、選ぶこと自体を楽しめなくなってしまうのも当然のことです。
これは、あなたの意志の弱さの証拠ではなく、アプローチする場所が違っていただけなんです。
今日からできる、小さな一歩
一人で全部を変えようとしなくても大丈夫です。
今日からできる、小さな一歩を三つご紹介します。
一つ目は、迷ったときに、まず「間違えてもいい」と心の中でつぶやいてみることです。
選んだ結果がどうであれ、それは失敗ではなく、ただの経験にすぎません。
二つ目は、一日一回、誰にも相談せずに、自分だけで小さなことをひとつ決めてみることです。
飲み物を選ぶ、道順を選ぶ、それくらい小さなことで構いません。
その小さな「決めた」の積み重ねが、少しずつ「自分で決めていいんだ」という感覚を育ててくれます。
三つ目は、選んだあとに、その理由を一言だけ書き留めてみることです。
「なんとなく好きだから」でも、「今日はこれが食べたい気分だから」でも構いません。
理由を言葉にする練習を重ねていくと、自分の気持ちに気づく力が、少しずつ戻ってきます。
完璧にできなくても大丈夫です。
できた日もあれば、できない日があってもいいんです。
大切なのは、少しずつでも続けていくことです。
一人で抱え込まなくて大丈夫です
これまでセッションを受けられた方の中には、こんな声を寄せてくださった方もいます。
「自分の気持ちを大切にして、嫌なことを断れるようになりました」
「自分責めがなくなると、こんなに毎日が楽しいのですね」
不思議なもので、気持ちが変わると、行動は後から自然についてくるものなんです。
「決めなきゃ」と頭で頑張るのではなく、心の奥にある思い込みがゆるむと、選ぶこと自体が怖くなくなっていきます。
そうなると、小さなことも、大きなことも、自分の意志で選べるようになっていきます。
やりたいことにも、素直に手を伸ばせるようになっていくんです。
これは、私がこの仕事をしていて、一番実感していることでもあります。
皆さんの行動が変わって、表情まで明るくなっていく瞬間に立ち会えることが、この仕事をしていて本当によかったと思う理由です。
「心が軽くなると、体まで軽やかになった気がします」という声をいただくこともあります。
皆さんが少しずつ選べるようになっていく姿を見せていただけることが、この仕事をしていて何よりの喜びです。
ただ、幼い頃からの思い込みが根深い場合、自分ひとりで向き合い続けるのは、なかなか大変なことでもあります。
何度も同じところでつまずいてしまい、自分を責めたくなることもあるかもしれません。
生きている限り、「楽しい」と感じながら過ごせることが、何よりも大切だと私は思っています。
「私なんて」と誰かと比べて落ち込む毎日より、「今日も楽しかった」と一日を終えられる毎日のほうが、ずっと豊かです。
あなたの中には、まだ自分でも気づいていない「決めたい」「言いたい」という気持ちが、きっと眠っています。
そんなときは、まずはプチ体験セッションで、悩みの原因と今の状況を一緒に整理してみませんか。
自分では気づいていない思い込みに、やさしく光を当てていくことができます。
一人で頑張り続けなくて、大丈夫です。
決められない自分ではなく、これからは、あなたらしく選んでいく自分に、少しずつ出会っていってください。