思い切って言ったのに、あとで後悔してしまうあなたへ ― 「言い過ぎたかな」と自分を責めてしまう心の仕組み
「言い過ぎたかな」と、ずっと引きずっていませんか
勇気を出して、自分の気持ちを言葉にした。
それなのに、家に帰ってからもずっと、そのときの会話が頭から離れない。
「言い過ぎたかな」
「あんな言い方をしなくてもよかったかもしれない」
「嫌われてしまったかもしれない」
そんなふうに、何度も何度も、自分の言葉を思い返してしまうことはありませんか。
会議で意見を言った後、家族に本音を伝えた後、友人グループのやり取りで少し強めに返信した後。
場面はさまざまでも、共通しているのは、言った後にどっと押し寄せてくる不安です。
たとえば、会議で「私はこう思います」と発言したあと、他の人の反応をずっと目で追ってしまう。
少しでも眉をひそめられたように見えると、「やっぱり言わなければよかった」と、心がしぼんでしまう。
家族との会話でも、思ったことを口にした後に、相手が黙り込むと、それだけで「機嫌を損ねてしまったかもしれない」と、頭の中が不安でいっぱいになってしまうこともあります。
本音を伝えられたはずなのに、なぜか達成感よりも、不安のほうが大きくなってしまう。
相手のLINEの返信がいつもより少し遅いだけで、「怒らせたかもしれない」と考えてしまう。
仕事の場面だけでなく、家族や友人との何気ない会話でも、同じことが起きることがあります。
「そんなつもりじゃなかったのに」と、伝えたいことと違う形で言葉が出てしまったように感じることもあるかもしれません。
そのたびに、次はもう何も言わないでおこうと、心のどこかで決めてしまう。
そんな毎日が続くと、次第に自分の気持ちを言葉にすること自体が、億劫になっていくこともあります。
そんな自分に、「どうしてこんなに気にしてしまうんだろう」と、さらに自分を責めてしまう方も少なくありません。
それは、あなたが弱いからではありません
先にお伝えしたいのは、そんなふうに感じてしまうのは、あなたが弱いからでも、間違っているからでもない、ということです。
それは、あなたが誠実に人と向き合おうとしている証でもあります。
思ったことを口にするのは、本来、とても自然なことです。
それなのに、言った後にこれほど気になってしまうのには、ちゃんとした理由があります。
あなたの中に、「意見を言うと、責められるかもしれない」「本音を出すと、嫌われるかもしれない」という怖さが、どこかにあるのかもしれません。
その怖さは、今のあなたが弱いから生まれたものではなく、これまでの経験の中で、少しずつ積み重なってきたものです。
自分を守るために身につけた、いわば心のクセのようなものなのです。
人の気持ちに敏感で、優しい人ほど、言った後の相手の反応が気になってしまうものです。
それは、思いやりがある証拠でもあります。
むしろ、それだけ人との関係を大切にしてきた、という証でもあるのです。
だから、「気にしすぎる自分はダメだ」と、もう一段階自分を責めてしまう必要はありません。
「もっと強くならなきゃ」と、性格そのものを変えようとする必要はありません。
なぜ、言えたのに安心できないのか
私自身も、押しの強い人に何かを強く言われると、うまく言葉が返せなかった時期がありました。
「それは違うんじゃないかな」と思っても、その場では言えずに飲み込んでしまう。
そうやって、自分の意見を出さずに我慢することに、慣れてしまっていたのだと思います。
意見を言うと、相手にもっと強く言い返されるかもしれない。
そう感じてしまうと、たとえ本音を言えたとしても、心はすぐには安心できません。
これは、潜在意識の仕組みによるものです。
潜在意識は、過去に「危険だ」と感じた経験を、ずっと覚えています。
小さいころ、思ったことを口にして注意された経験や、自分の意見を否定された経験があると、「意見を言う」という行為そのものが、潜在意識の中で「危険なもの」として記憶されてしまうことがあります。
子どものころ、自分の意見を言って強く否定されたり、笑われたりした経験があると、脳は「意見を言う=傷つく」という方程式を、瞬時に作り上げてしまいます。
それは、あなたを守るために脳が学習した、いわば防衛反応のようなものです。
本来は、あなたを危険から守るために働いている仕組みなのに、今の場面では過剰に反応してしまっている、というだけなのです。
潜在意識にとっては、「意見を言う」ことと「危険な目にあう」ことが、まるでセットのように結びついてしまっているのです。
火事に一度遭った経験があると、煙のにおいだけで体が緊張してしまうのと同じように、意見を言うという行為そのものが、警報のスイッチになってしまうことがあります。
意識の上では忘れていても、体や感情のほうが先に反応してしまう。
それだけ、潜在意識に刻まれた記憶の力は強いものなのです。
そうなると、実際に意見を言えたときでさえ、頭では「大丈夫」と分かっていても、心や体は「危険だ」と反応してしまうのです。
だからこそ、言った後になって、不安や後悔がどっと押し寄せてくる。
それは、あなたの中の小さな自分、いわゆるインナーチャイルドが、今もまだ、怖い思いをしたときのままの気持ちで反応しているからなのかもしれません。
インナーチャイルドは、時間が経っても、大人になっても、癒やされないかぎり、そのときの怖さを抱えたままでいます。
だからこそ、頭では「大丈夫」と分かっていても、心が追いつかないという状態が起きるのです。
潜在意識にある怖さが少しずつ緩んでいくと、気持ちが軽くなり、その軽さが、自然と行動の変化にもつながっていきます。
言葉だけで変えようとしても、うまくいかない理由
「気にしすぎない」「もう言ってしまったことだから仕方ない」
頭ではそう分かっていても、気持ちがついてこない。
そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
それは、意志が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。
アファメーションや、前向きな言葉を繰り返すことを試した方もいるかもしれません。
それでも、根っこにある怖さがそのままだと、また同じように不安がぶり返してしまうことがあります。
考え方だけを変えようとするのは、根っこはそのままに、葉っぱだけを整えようとするようなものかもしれません。
不安や恐れは、考え方の癖というよりも、もっと奥にある潜在意識や、インナーチャイルドの傷つきから生まれていることが多いからです。
インナーチャイルドが傷ついたまま、怖い思い込みを抱えたままだと、どれだけ「前向きに考えよう」と頑張っても、なかなか気持ちは軽くなりません。
自分を責めたり、卑下したりする気持ちが先に立ってしまい、心から楽しむことが難しくなってしまうのです。
考え方を変える前に、まずその奥にある怖さや傷つきに、気づいてあげることが大切なのです。
言葉を変えるだけ、考え方を変えるだけでは届かない場所に、本当の原因があることが多いのです。
今日からできる、小さな一歩
すぐに根本から変えることは難しくても、今日から少しずつできることはあります。
まず、本音を言えたときは、結果がどうであれ、「よく言えたね」と、自分にひとこと声をかけてあげてください。
責めるのではなく、まず認めてあげることから始めてみましょう。
そして、不安がわいてきたときは、「今、体のどこが緊張しているかな」と、自分の体に意識を向けてみてください。
胸のあたりがぎゅっとしていたり、肩に力が入っていたりすることに気づくかもしれません。
深呼吸をして、肩の力をふっと抜くだけでも、体の緊張は和らいでいきます。
考えを止めようとするよりも、体の感覚に気づくほうが、気持ちは落ち着きやすくなります。
もうひとつ、頭の中で会話を何度も再生してしまうときは、「これは過去の記憶を、今もう一度体験しているだけ」と、心の中でつぶやいてみてください。
今、目の前で何かが起きているわけではない、と自分に伝えてあげることで、少し冷静になれることがあります。
また、寝る前に、その日「言えたこと」をひとつだけノートに書き出してみるのもおすすめです。
うまく言えたかどうかよりも、「言おうとした自分」に目を向ける習慣が、少しずつ自信を育てていきます。
そして何より、うまくできなかった日があっても、自分を責めずに「今日はこれでよかった」と、一日を締めくくってあげてください。
小さなことですが、繰り返すうちに、「言っても大丈夫だった」という経験が、少しずつ積み重なっていきます。
一人で抱えなくて大丈夫です
とはいえ、長年積み重なってきた怖さや思い込みは、自分一人の力だけで変えていくのは、簡単なことではありません。
言葉で「大丈夫」と唱えるだけでは、なかなか潜在意識の奥までは届きにくいのです。
だからこそ、頭では分かっているのに、同じパターンを繰り返してしまうのです。
実際にセッションを受けた方からは、「自分の気持ちを大切にして、嫌なことを断れるようになった」「やりたいことができるようになった」「自分責めがなくなると、こんなに毎日が楽しいのですね」といった声をいただいています。
「こんなに心も体も軽やかでスッキリするんですね」という声をいただくこともあります。
気持ちが変わると、行動が変わります。
そして行動が変わると、毎日の景色が、少しずつ変わっていきます。
皆さんの表情が明るくなり、行動が変わっていく様子を見せていただけることが、この仕事をしていて何より嬉しい瞬間です。
もし今、「言った後にいつも後悔してしまう」「本音を言うのがどうしてもこわい」と感じているなら、まずはプチ体験セッションで、悩みの原因と今の状況を一緒に整理してみませんか。
一人で頑張り続けなくて大丈夫です。
あなたの中に眠っている、言いたいことや、やりたいことを、少しずつ取り戻していきましょう。
自分でも気づかずに眠らせている「言いたい」気持ちを、少しずつ掘り起こしていくお手伝いができたらと思っています。
最終的には、あなた自身が、安心して本音を言えるようになることを願っています。
あなたにも、自分を責めずに、安心して穏やかな毎日を過ごしてほしいと思っています。
今日のこの文章が、そのための小さなきっかけになれば嬉しく思います。